李箱「翼」

最近頭の中を「いまぁ~わたしのぉ~ねがぁい~ごとがぁ~かな~う~な~らば~♪」って流れてくるのなんだろな?って思ってたらあれですね、翼をください、ですね。そしてなぜだろな?って考えたらあれですね、先週読んだ「翼」。 李箱「翼」。李箱と書いて…

理想的最終形態ソーネチカ✨

まず表紙が可愛い♡ロシアね、うんうん寒いもんね、雪深いイメージに赤いニット帽可愛い♡左足をひょいっと前に出してる姿もなんか楽しげ♪ と読みだして、本の虫いいじゃんいいじゃん♪ ん?ソーネチカ可愛くないの?そんな言わんでもよくない兄貴...え?狂気?…

「活きる」余華

信じられないくらい悲しい出来事が続く話。特に終盤の追い込みが凄くて、一回目の感想ノートには「悲劇が詰め込まれ過ぎて頭も心も追いつかず逆に無感動になってしまった」と書いてある。(あと「鉄作るのなんで」とも書いてある笑) 2回読んで何かがじわじ…

もう終わりにしよう。が終わらない。

凄いものを読んだ。これはすごい、すごいよ。なんというか表層部と深層部があると思うんだけど、まず表層部ね。 まず序盤からジェイクの実家に着くまでの二人の会話がすごい好き。こういうの大好き。らちのあかない話をお互いに考えながらいつまでも話すの楽…

泥棒日記 ジャン・ジュネ

私にとってジャンジュネは確信犯的に他者を幻惑して己の正当性を信じ込ませようとしてる言い訳野郎で泥棒日記はただ性欲や食うためや反社会的な気持ちに飲み込まれ制御できずにやりたい放題やったジャンジュネの壮大な言い訳でしかない(400ページも言い訳読…

パチンコ(上)(下) ミン・ジン・リー

『日本に併合された朝鮮半島、釜山沖の影島。下宿屋を営む夫婦の娘として生まれたキム・ソンジャが出会ったのは、日本との貿易を生業とするハンスという男だった。見知らぬ都会の匂いのするハンスと恋に落ち、やがて身ごもったソンジャは、ハンスには日本に…

「居るのはつらいよ」 東畑開人

まず1回目読んで私は軽くキレました。「はあ?」ってなりました。私はこの本を心理学的なケアとかセラピーについて「現場を熟知した専門家が書いた入門書」的な位置付けで読み出したので、おちゃらけた文章で時系列もむちゃくちゃに右往左往して客観的に整理…

待ち合わせのジレンマ

ちょっと前に新聞を取ろうと思った時にさて何新聞?!ってなって、情報の偏重が問題になっている昨今、各局報道のカラーなんかもよくわからないし何かそういうのがわかるサイトないかなとネット見ていて「最強の読み方」(池上彰・佐藤優)という本を見つけた…

アクロイドさんが殺された件

遂に読みました、アクロイド殺し。 みんなが問題作だ賛否両論だルール違反だと盛り上がっていたので、ワクワクして読みました。 そして・・・「ぅえっ?!」ってなりました。たしかにこれはルール違反と言われても仕方がない。けど、面白いから許すっ!もと…

春のうららに、憑かれし者ども

いや~今日は暖かいを通り越して暑かったですね! 強烈な日差しに汗ばみながら図書館へゆく道すがら、咲き出した桜を見つけてなんだか幸せな気持ちに♪ 「アクロイド殺し」アガサ・クリスティー 「獄門島」横溝正史 「本陣殺人事件」横溝正史 「戦い続けた男…

本屋タノシイネー♪

池袋で時間が空き、どうしよっかなー最近行ってないしなーでも行くと買っちゃうしなーと逡巡しながらもヨロヨロとジュンク堂に吸い込まれる私。 1階から9階まで本がぎっしり詰まっているなんて、なんて素敵な建物なんだー!と入った瞬間にテンションが上がる…

『旅行者の朝食』 米原万里

NHKの「グレーテルのかまど」という番組がお気に入り。 古今東西、有名人のエピソードや小説・絵本・映画などに出てくるお菓子を、実際に作ってみるという番組で、毎回その美味しそうなお菓子達もさることながら、紹介されるそのお菓子にまつわるお話が楽し…

『死ねばいいのに』 京極夏彦

初・京極夏彦! 文庫450頁、標準的もしくはちょい厚めの部類に入る本かと思いますが、 作者名「京極夏彦」に気づいた瞬間に「薄っっっ!!」ってなりますね。 どっかにちっちゃく(上)って書いてないか思わず確認するくらいの違和感(笑) まず思ったのは、難しい…

出産から彼岸まで

エッセイ二発! 『はるまき日記』瀧波ユカリ 『臨死!!江古田ちゃん』の作者の出産&育児日記(はるまきは赤ちゃんのあだ名)。以前読んだ『泥酔日記』で私のハートをワシヅカミにした彼女の言いたい放題は、出産&育児の現場でも一切手をゆるめることなくパワ…

『娘は娘』  メアリ・ウェストマコット(アガサ・クリスティー)

みなさん、怖い目にあった時、ひどい仕打ちを受けた時、にっちもさっちも行かない状況に追い込まれた時、思わず口をついて出る叫びは何ですか?そうですね「おかあさーん!!」ですね。しかしこの本を読んだあなたは、もう無心にそうは叫べなくなるかもしれ…

『やわらかな棘』 朝比奈あすか 『奇貨』 松浦理英子

読んだことのない作家さん二発~♪ 『やわらかな棘』朝比奈あすか 頑張って生きる女の子達を描く連作短編集。 みんな辛いことはある。乗り越えようとして挫折したりする。力んで変な方向に行ってしまったりもする。勢い余って周りを傷つけたりもする。そうや…

「愛の旋律」 「未完の肖像」 アガサ・クリスティー

先日読んで面白かった「春にして君を離れ」に続き、アガサ・クリスティーがメアリ・ウェストマコット名義で書いたミステリじゃないシリーズの2作。 「愛の旋律」 幼いころから異様な音楽嫌いだったヴァーノンは二十歳のある日、たまたまオーケストラを聴き…

堺雅人と酔っぱらう女たち

エッセイ本を読みましたー 「文・堺雅人」堺雅人 私この人苦手で「いつもニヤニヤしている気味の悪い人」(←ヒドイ)という印象しかなく、出演作も見たことないんですが、この本は結構面白かったです。演技論や人生論を語るのに中原中也の詩や世阿弥の言葉など…

「セカンド・ラブ」 乾くるみ

こりゃひでぇ。 いや久々に怒りを覚えるレベル。 まわりくどく冗長なストーリーがずっと棒読みのような文章で書かれています。“ラスト一行で全てがひっくり返る!”の「イニシエーション・ラブ」で一躍名を馳せた作者が、もうとにかくまた同じように読者をひ…

「黄昏に眠る秋」 「冬の灯台が語るとき」 ヨハン・テオリン

「黄昏に眠る秋」ヨハン・テオリン スウェーデン、エーランド島を舞台にしたミステリ。 幼い男の子がある日忽然と姿を消し、警察や島民が手を尽くした捜索でも手がかりはおろか遺体さえ見つからない。しかしそれから20数年後、突然少年の祖父イェルロフのも…

「春にして君を離れ」 アガサ・クリスティー

アガサ・クリスティーってミステリの女王ってイメージでしたが、こういう小説も書いていたんですね。背表紙ではロマンチック・サスペンスと紹介されていますが、なんていうんだろうこういうの。何も事件は起きないし、もちろん誰も死なないし、探偵も出てこ…

「蝶」 皆川博子

流れるように美しい文体から匂い立つ妖しげな((時にグロテスクな)気配は、しかしあくまでも冷静(そこに狂気を内包していたとしても)な登場人物の佇まいと不思議な化学反応を起こし、読後心に残るのは独特の乾いた空気… なんでしょう。耽美的ではあるのだけど…

甲子園が割れた日 -松井秀喜5連続敬遠の真実-

弟がリトルリーグから高校まで球児だったので、 我が家では昔から高校野球とプロ野球は必ず観ていました。 自分では一切やらないのに、なぜか弟と一緒になって「月刊ジャイアンツ」を読んでた小学生の私(笑) 好きな選手は「絶好調男 中畑清」と「桑田真澄」(…

『安部公房とわたし』 山口果林

帯いわく「1993年1月、ノーベル賞候補の文学者は、女優の自宅で倒れ、還らぬ人となった。二人の愛は、なぜ秘められなければならなかったのか?」 安部公房は私の最も敬愛する作家ですが、彼の愛人問題は全然知りませんでした。 今回本屋でこの本を見つけ、二…

島田荘司 2発!(御手洗探偵)

暑いっ!なんなんだよもう!もともと夏は嫌いだけど近年ほんとに苦痛。 例年に無い異常な暑さ!数十年ぶりにxx℃を記録!って毎年言ってない?! 温度が上がるんなら上がるで、期間は縮小してほしいわ。 夏の最大容量(温度x日数)は決まってることにして、…

落語関係の本あれこれ

「今おもしろい落語家ベスト50(2009年)」文春ムック 図書館ですからね、2009年版でも何の不思議もありませんよ(笑) しかし2009年の時点で既にキョンキョンは一位なんですね。すげー。 以下、二位が立川志の輔、三位が小三治。 喜多八さんが18位ってあんまり…

世相講談」(上)(中)(下) 山口瞳

向田邦子が彼の著作の中で唯一認めたという世相講談、やっと読みました。 タクシー運転手・バスガイド・ストリッパー・とび職・質屋…さまざまな職業の人を主人公に昭和の世相を描き出す力作短編集です。 文体や書き方など章ごとに工夫が凝らされていて、それ…

「坊ちゃん」 / 「贋作『坊ちゃん』殺人事件」

柳広司「贋作『坊ちゃん』殺人事件」を読むために、 折角なので真作(?!)の方も久しぶりに読みました。 「坊ちゃん」夏目漱石 相当久しぶりに読みましたが面白いッ!名作は色褪せず、ですね。 書き出しの「親譲りの無鉄砲で子供の時から損ばかりしている」を…

柳広司 / 大沢在昌 / その他

『シートン<探偵>動物記』柳広司 先日の「名探偵の奇跡」で出逢った作家さん。 「名探偵ー」に載ってた「カランポーの悪魔」を含む5編。 ご存知動物学者のシートンが、殺人事件や盗難事件などを動物に絡めて鮮やかに解いて見せます。私も小学生のころに夢中…

伊坂幸太郎 『ライト編』

お待たせしました!(待ってないね) いやー次はこれ書く、なんて、もう絶対書かないぞ! なんかその時点で書く気が失せちゃって…(勝手に言っといてこの態度!)。 これをやれ!と言われるとやる気を無くすアマノジャクタイプなんですね、性格的に。勉強しな…