『死ねばいいのに』 京極夏彦

初・京極夏彦
文庫450頁、標準的もしくはちょい厚めの部類に入る本かと思いますが、
作者名「京極夏彦」に気づいた瞬間に「薄っっっ!!」ってなりますね。
どっかにちっちゃく(上)って書いてないか思わず確認するくらいの違和感(笑)

まず思ったのは、難しい漢字使いぃの人なんだなってこと。
それはこの人の特性なのか、この作品だけのスタイルなのかは分かりませんが。
迚も(とても)、慥かに(たしかに)、巫山戯るな(ふざけるな)、などなど…
一番馴染めなかったのは、貌(かお)かな。でも「顔」も出てくるから、きっと意図のある使い分けなのでしょう。私には分からなかったけど。

殺された女性の「知り合い」だという男が、女性の周辺の人達に「彼女について何でもいいから教えてくれ」と聞いて回る話。第一章:上司 第二章:隣に住む女…って感じで第六章まで。一見普通の人々だが、話を聞いていくうちに溢れ出してくる腹の底のどす黒い感情の奔流…!!って感じで、第一章は「おおっ!面白い!」と感動しましたが、そっからずっと同じパターンの繰り返しなので、三章くらいで飽きちゃった。遠山の金さんとか、ドラえもんとか(すごいもんを並べたな(笑))、ワンパターンストーリーものはありますけど、あれはほら、毎回核となる事件や解決に至る経緯が違うわけでしょ。でもこれは、核となる事件がずーっと一緒な上に、それについて各章で主人公と相手が繰り広げる会話劇の起承転結までずっと一緒っていう…4~5章はほぼ飛ばし読みでした。すんません。6章で事件は解決するし、主人公がアホみたいに聞きまわってた理由も分かって納得はするけど、でもスッキリはしませんね。読後残るのはそこはかとない不快感。まあでもそれは作者の意図だと思うのでいいんだけど。。。もやもや。。。

初めに読む本を間違えたかなー
京極夏彦って「いつか読んでみたい。面白そう」ってイメージだったんだけどなぁ…めげずに今度は妖怪系を読んでみたいです。