こりゃひでぇ。
いや久々に怒りを覚えるレベル。
まわりくどく冗長なストーリーがずっと棒読みのような文章で書かれています。“ラスト一行で全てがひっくり返る！”の「イニシエーション・ラブ」で一躍名を馳せた作者が、もうとにかくまた同じように読者をひっかけよう、最後の数行でひっくりかえそう、そうだそうだそうしよう！と書いただけの、それしかない本です(←決めつけ)。なのでその最終目的地に至るまでに生まれる数々の謎（登場人物の行動の理由とか、意図とか、出てくる挿話と本筋との関係とか)は全部放置です。全部放りっぱなしでとにかく急げ急げで最後得意のひっくり返し技を繰り出し、どうだどうだのドヤ顔ですよ。そんなん読者は完全に置き去りのポカーンですよ。まったく。
イニシエーション・ラブはまあまあ面白かった記憶があったので、図書館でふと目に留まり借りてきたんですが、ネットで見てみるとどうやら本の帯「イニシエーション・ラブの衝撃、ふたたび！」に騙されて購入した人多数のようで、ほんと可哀想。違う意味での衝撃度はハンパないけどね。こんなに感情移入できない小説初めて！とか。このレベルで出版してもらえるなんて日本の出版界すごい！とかね。やれやれ。
