島田荘司 2発!(御手洗探偵)

暑いっ!なんなんだよもう!もともと夏は嫌いだけど近年ほんとに苦痛。
例年に無い異常な暑さ!数十年ぶりにxx℃を記録!って毎年言ってない?!
温度が上がるんなら上がるで、期間は縮小してほしいわ。
夏の最大容量(温度x日数)は決まってることにして、涼しくて長いか、暑くて短いかの二択になります!って誰か地球に言って!言ってやって!

ということで(?)、島田荘司2冊いきましたー♪


「眩暈」島田荘司
これはまた事件の持ち込まれ方と、そこからの展開が異例、意外で面白かった。
御手洗の恩師である高名な教授が御手洗にある手記を見せるところからお話は始まります。その手記は日記のようで、殺人事件らしきものの記載もあるのですが、内容詳細がほとんど支離滅裂・意味不明。妄想もしくは幻想つまり病んでる感満載。それを科学的に「脳に起きたこういう障害によるこういう症状の人が書いたものだろう」と解説する教授に対して御手洗まさかの「これは現実に起きたことです」発言。当然驚いた教授に「じゃあここに出てくる恐竜は?」「手が食いちぎられた後から手が生えてきたっていうのは?」などとツッコまれまくりますが、御手洗動じず。その後緻密な推理と捜査により、結局御手洗が正しかったことが判明するのですが、ほんと、あの手記から現実を読み取り、解明していく推理力・思考能力はすごいっす御手洗の兄貴!ただあれです、かなり濃厚でちょっとグロイ描写もありますので、読後は悪夢をさまよってたような気分にはなります。まさに眩暈、な感じ。



「異邦の騎士」島田荘司
これ好き!
御手洗シリーズを一作でも読んだことのある方は、終盤で「ぅおっ!?」ってなります。前情報なしで読むことをおススメします。私はそこで感動しました。「おおそうだったのか!」みたいな。作品としても完成度が高いです。後半の展開では主人公と一緒に完全に敵にだまされちゃいますので、真相が分かったときはかなりの驚愕と共に御手洗への感謝の気持ちでいっぱいになります(笑)主人公と同棲する女性との物語も昭和の匂い満載で、あたたかく、切なく、そして哀しい…
主人公がほぼ全編を通して記憶喪失なので、どことなくこう夢と現実の狭間と言うか、ふわふわと頼りない存在感もあいまって、ひどい事件ではあるんだけどなんとも言えない切ない読後感です。御手洗が記憶喪失の主人公との交流でいつになく(?!)人間味のある優しさを垣間見せるところもその読後感に一役買っていると思います。敵の黒幕が御手洗も絶賛する頭の良さで、最後に御手洗が「また会うかもしれないね」と言っているのですが、その後彼と再会を果たす作品はあるのかな?と気になりました。要チェック