堺雅人と酔っぱらう女たち

エッセイ本を読みましたー

「文・堺雅人堺雅人
私この人苦手で「いつもニヤニヤしている気味の悪い人」(←ヒドイ)という印象しかなく、出演作も見たことないんですが、この本は結構面白かったです。演技論や人生論を語るのに中原中也の詩や世阿弥の言葉などが引用され、大河ドラマの話では豊富な知識に裏打ちされたその時代への深い理解が垣間見え、気味の悪いニヤニヤ顔に似合わず(←そこの評価は変わらない(笑))想像力豊かですごく勉強熱心な人なんだなぁと思いました。一風変わったこだわりや、信念のようなものもそこここに読み取れ、意外に面白そうなヤツ~と思ってしまいました、って何の敗北感なのか(笑) しかしこれ、私以上に彼を苦手と言っていた会社の同僚が衝動買いしちゃったと言って貸してくれたんですが「これイライラするよー!読んで!」って…そんな貸し方ある?!っていう(笑) 仕事がらみのネタも多く、出演している舞台やドラマなどの名前が出てきますので、その辺はファンにはたまらないのではと思います。


「泥酔懺悔」角田光代三浦しをん など(他9名)
11名の女性作家がお酒について語るエッセイ集。
飲み過ぎて周りへ迷惑をかける人あり、かけられる人あり、巻き込まれる人あり、じっと観察して分析する人あり(笑)。酔っぱらう側の必死の言い訳も迷惑かけられた人の冷静な意見も、なぜか身に染みて考えさせられ、そして笑ってしまいます。
中でも気に入ったのはこの二編。

山崎ナオコーラ「ひとりでお酒を飲む理由」
他人とつるまず一人で飲みたい。自分でバーのドアを開け、自分でお金を払いたい。というところから説かれる彼女の信念、生き方論がとても潔くて素敵。訥々と語られる作者の想いがじわじわとこちらの胸に浸透してきて、最終的にはなんだか泣けます。オーセンティックバー(いわゆる「ちゃんとしたバーテンダーのいる本格的なバー」ですね)に一人で行って「ギムレット」とか私も言ってみたい(ジン飲めないけど)。まぁ小心者なんで無理ですけどねー

瀧波ユカリ「初めての飲み会」
臨死!!江古田ちゃん」というマンガの作者のエッセイ。
いやー超面白かった。爆笑。内容はよくある話(大学の新歓コンパでの初飲酒体験談)だけど、文章がもうほんとツボでした。自分と気の合わなそうな新入生仲間を「ドアノブ女子」と名付け(部屋でドアノブカバーを編んでそうだからという偏見による)、なんだよドアノブ女子ばっかじゃん、もうお前らみんなでドアノブカバー部作ればいいじゃんとか(←かなり意訳ですが)、言葉のセンスが大好きでしたー

この二人は他のエッセイも探して読んでみたいと思います♪