柳広司 / 大沢在昌 / その他

シートン<探偵>動物記』柳広司
先日の「名探偵の奇跡」で出逢った作家さん。
「名探偵ー」に載ってた「カランポーの悪魔」を含む5編。
ご存知動物学者のシートンが、殺人事件や盗難事件などを動物に絡めて鮮やかに解いて見せます。私も小学生のころに夢中になってシートン動物記を読んでたクチですが、そのころ感じた動物や自然に対する畏怖みたいなものを懐かしく思い出しました。そんでシートンさんがすごく魅力的なおじいさんで素敵。内容的には結局「カランポーの悪魔」が一番でしたが、それぞれの短編の中でそれぞれの主役の動物がとてもイキイキと描かれていて、楽しめました。今度実家に帰ったら、シートン動物記を探して読みたいと思います。

新宿鮫大沢在昌
これも先日の「名探偵のー」で短編が良かったので、借りてみました。
バリバリゴリゴリのハードボイルドかと思ってたんですが、主人公の鮫島刑事が意外に人間味があり読みやすくて面白かったです。署内のトラブルのせいでエリートコースから外れてしまった彼は、署内で寄る人もなく一匹狼。しかし単独での犯罪捜査実績はハンパなく、その容赦のないやり方に新宿のヤクザ達から恐れられている、という設定。音もなく近寄って一発で仕留める新宿署の鮫島刑事、略して新宿鮫っつーわけですね。ストーリー構成もよくできていて、テンポもよく、キャラがみんな立っている。飽きずにグイグイ引き込まれて一気読みでした。また続編も読んでみたいです。


桐島、部活やめるってよ朝井リョウ
これは、ひどい。
先日映画を観て、結構面白かったので読んでみましたが。
作家志望の人が出版社に持ち込んで編集者にガンガン直されるレベル。
映画を先に観てたのでなんとなく絵は浮かびましたが、それが無ければほんとに何も喚起されるものがなく「は?!」ってなるレベル。
高校を卒業してすぐ~数年という人達が読んで共感もしくはノスタルジーに浸ることはあるかもしれないけど、読み物として万人が読むものではない。
これをあの映画にした脚本家と監督を尊敬。
映画を酷評してた同僚が貸してくれたんですが、「本を読んだらもっとひどくて、やっぱり映画は面白かったんだ、って思ったわ」って(笑)
そういう相対評価をするものでもないと思うんだけど(笑)
私は映画の方は好きです。本といろいろ設定が変わってますが、それでよし。