アクロイドさんが殺された件

遂に読みました、アクロイド殺し
みんなが問題作だ賛否両論だルール違反だと盛り上がっていたので、ワクワクして読みました。
そして・・・「ぅえっ?!」ってなりました。たしかにこれはルール違反と言われても仕方がない。けど、面白いから許すっ!もともと私はミステリでも真剣に犯人やトリックを考えながら読まないので、とにかく楽しませてくれれば、驚かせてくれればいいのです。そうじゃなきゃ島田荘司とか読めない(←極論)

むかーし読んだっきりで、すっかり内容は忘れており、最後の最後、ポアロが「犯人の条件」を語り出してもすぐには犯人に気づかないというていたらく。椅子の謎が解けたくらいでやっと「あ!」ってなりました。遅すぎるにもほどがある(笑)

しかし唯一腑に落ちなかったのは、隣人のポロット氏ならぬポアロが(しかしポロットて!)、庭で栽培していたかぼちゃにかんしゃくを起こして隣家の庭に投げ込んじゃうというシーン。かぼちゃは隣人の頭をかすめて地面に激突!ってわれらがムッシュポアロはこんな野蛮な人でしたっけ??一歩間違えば「かぼちゃ殺人事件」になっていたところじゃないか!言い訳も「今朝急にかぼちゃに腹が立ったから」って子供か!しかしこれはあれなんですかね、隣人と接触するためのキッカケ作り?!・・・にしてもなあ・・・

最後、「だからここはこう書いていたのだ」的な種明かしが楽しかったです。
おお、なるほどなるほど、とそのシーンに戻って読み直したり。
もう一回読みたくなりますね。

横溝正史の「本陣殺人事件」でも、真相を読者に感づかせないために、事件の経緯や現場の様子の書き方に細心の注意が払われ、しかもそれを最後に「だからこう書いたのだ!」とわざわざ恩着せがましく説明していたな、と思い出し、もう一度読んでみたところ、なんとまさに「こういう物の書き方を、私はアガサ・クリスチー女史の『ロージャー・アクロイド殺し』から学んだのである」と書いてあってビックリ!

しかしミステリ作家と言うのは、内容はもとよりその一字一句にまで目を配り、文章を練りに練って書いているのだなあと今さらながら非常に感心しました。にもかかわらず「あたし真剣に考えないで読んでるんでぇ~」とかいうバカ読者(←私)に読まれちゃ浮かばれないだろうな~とも。。。挙句の果てには「説明が恩着せがましい」とか言ってますからね。もうほんと・・・すんません。今後は、少しは推理しながら読むように努力したいと思います