一朝けんめい頑張ってます!

一朝けんめいがんばりますっ!
でお馴染みの春風亭一朝師匠が最近好き。今日ネットで一朝さんについての連載記事を見つけて嬉しくてすぐ読んで(連載だから長い)色々面白かったので備忘録を兼ねてブログ。

春風亭一朝(70)
林家彦六に弟子入り志願→自分は手いっぱいだけど総領弟子の柳朝はどうだと紹介されて五代目春風亭柳朝の弟子に→自分が真打になる直前に柳朝が倒れる→柳朝の盟友志ん朝が目をかけてくれる→柳朝に昔いじめられたという談志も何かとちょっかい出してきて結局可愛がってくれる→弟弟子に小朝(真打昇進は抜かれた)→弟子には一之輔。

五代目柳朝は若い頃志ん朝・談志・圓楽と合わせて若手四天王と言われていた人気落語家で、私は数年前銀座の東劇でやってた「昭和の名人上映会」みたいなので彼の粗忽の釘を観てその立て板に水&破天荒な芸にすげえ…ってなった記憶があります。私が夢中で観てたあの八代目文楽明烏でグウグウ寝ていた母がすっかり目を覚まして爆笑してたと言えばそのパワーが分かり易い笑 そういえば去年寄席で一之輔さんの粗忽の釘観て独特の展開に驚きつつあれ…これ知ってるな…誰で観たんだっけ…と思ったらその時の柳朝さんで、そうか一之輔さんは柳朝さんの孫弟子だもんなと納得したりしました。(四天王はその後別の人による柳朝→圓鏡説もあり)

5,6年前に柳家喜多八さんを観まくってた時にちょくちょくその会で一朝さんを観てましたが(喜多八さんは一之輔さんを可愛がってたので一朝さんとも仲良かったんでしょうね)、まあ当時私は喜多八さんに夢中だったのであまり一朝さんの記憶がない笑 去年鈴本で一朝さんの壺算を観てむちゃくちゃ笑って開眼し、今日録画を色々観て改めて一朝さんかなり今脂がのっているのではと思いました(偉そう)。今現役の噺家さんを今現在の芸だけで評価すると私は今一朝さんが一番好きかもしれない。(もちろん小三治さんへの愛は変わらないけど芸で言うと今はもう「元気にお話してくれてるだけでうれしい」という境地なので…)

お正月にやってた落語特番や過去の録画も含めて今日観た一朝さん。

「妾馬」
これは一朝さんが真打になった時、直前に倒れてしまった師匠柳朝の代わりにいろいろ気遣ってくれた志ん朝が「真打昇進のお祝いに」と稽古してくれた噺だそう。噺の終盤に歌うくだりがあり志ん朝からは「酔っ払った八五郎なんだから上手く歌っちゃダメ」と指導されたのに志ん朝が自分の高座で嬉しそうにいい喉を聞かせていて「ついやりたくなっちゃう」と言っていたというエピソード好き。八五郎は天衣無縫さが売りなので私は志ん生のがやはり一番好きだけど一朝さんも相当可愛らしい。
「壺算」
人のいい店主が勘定をごまかそうとする客の煙に巻かれて錯乱していく様子がほんとに秀逸で何回見てもゲラゲラ笑ってしまう。
「鮑のし」
これも妾馬と一緒で天衣無縫系だから魅力も同じ。いいねえ。
「藪入り」
子供が…可愛い…動物や子供が可愛い噺家に弱い(志ん生・五代目小さん・三代目金馬・小三治…)のでたまりませんでしたね。父親も息子も素晴らしい。
「芝居の喧嘩」
これがすごかった。今日3回見た。芝居小屋で武士と町人が喧嘩になるというワクワクする噺なんだけどストーリーの躍動感と裏腹に登場人物達が長々と名乗ったりその関係性の説明もあるし下手するとダレちゃう難しさがある。それを一朝さんは明るく軽やかにさらさら~っと語って見せてでも喧嘩の迫力も見物の興奮もちゃんと伝わる名演。歌舞伎界についての枕がもうノリにノッて止まらないほど笑。で、今日のネットの記事を観たら一朝さんは笛の名手で若かりし頃は歌舞伎座囃子方をやってたとか奥様が歌舞伎界のお家の人とありなるほどと深く納得。幅広い知識や経験に裏打ちされたすごい盤石な土台の上での話芸なんだけど。それをどうだどうだという感じではなくあくまでも軽く飄々と演じるところが何とも言えずいいですねえ。

一朝さんは去年勲章的なものをもらったらしいですが調べたら「淀五郎」でもらってた!淀五郎も歌舞伎の噺なのでさすがというのもあるけど何より私淀五郎大好きなのに一朝さんの聴いたことないのでぜひ聴きたいなー♪

 

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