萬金寄席@新富区民館

柳家ろべえ「替り目」
柳家喜多八「おしくら(3人旅より)」
仲入
柳家喜多八「かんしゃく」

会社を無理やり定時に上がり駆けつけた3ヶ月に一度の至福の落語会。
今回は会社の後輩が久しぶりに行きたいというので一緒に参加。そして開演を待つ間、配られた落語会のチラシを見ていたらなんと「喜多八LINEスタンプ絶賛発売中(師匠公認)」という一枚が!!爆笑しながら「いやでもいらないわー普段使えないし」と言う私を尻目になぜか後輩が嬉々として速攻購入。すぐに「素敵♡」とか「野暮だねぇ」とか面白がって送ってくるので、仕方なく(?!)私も購入し、「ご勘弁を…!」とか「冗談言っちゃぁいけねえ!」とか送り返すという謎のスタンプトークタイム笑 あぁ始まる前に笑い過ぎてお腹痛い…

この歳になってそろそろバレ噺(艶笑落語)をもっとやってもいいんじゃないかと思って、この間鈴ふりをやったらウケなかった、と嘆く喜多八さん。鈴ふりは志ん生(当時70過ぎ)でもまくらで「あの野郎、まだ年端もいかないくせにあんな噺やりゃあがってと言われるかもしれないけど…」と言っているくらいなので(笑)、色々難しいんでしょうか、演じるお年頃みたいなものが。そしてそこから「おしくら」という初めて聴く噺。あとで喜多八さんが解説していましたが、これは3人旅という長い噺をいくつかに区切った中の一つで、3人が宿場についてから翌朝発つまでの部分だそう。当時一部の旅籠には飯盛女と呼ばれる「夜の相手もしてくれる女中さん」が居て、3人の中でメッポウ女好きの一人がとにかくそこに泊まると大騒ぎ。なんとか宿を見つけ宿の主人と夜の交渉をするも、都合の付く女が二人しかいない。あとは村はずれに80過ぎの尼さんが一人居ますが…というしょうもない(笑)てんやわんや。いやー笑った笑った。「コレだよコレ!」と小指を立ててみせる悪ーい笑顔とか、「女ならなんでもいい!なんでもいいからもう一人なんとかなんねぇか!!」という必死の形相とか、もうほんと、喜多八さんにしか出せない味わいが存分に楽しめる噺で、狭い公民館の一室に集まった喜多八ファンみんなで大爆笑でした。

毎日帰宅するやいなや、やれ掃除ができてないの、庭に水が打ってないの、帽子掛けの釘がまがってるのと怒鳴り放題の旦那様。たまりかねた奥さんが実家に帰ってしまうんだけど、両親にさとされて戻り、アドバイス通りに完璧に家事をこなすとさて帰宅した旦那様はどうするか…?!という「かんしゃく」。しかめた眉の下から周囲をギョロギョロと睥睨し、唇を震わせて怒鳴る旦那様が迫力満点に降臨し、その渋い声にうっとり♡(←バカ) しかし終盤実家で親にさとされるくだりで、涙を見せる両親のやりとりが感情をこめて丁寧に描かれていて、いつもそういうシーンをさらっと演じる喜多八さんにしては珍しいなと思いました。後半いろいろと出鼻をくじかれる旦那様もたいそう可愛らしくて最高(笑)

落語を観たら一杯ひっかけないとねー♪ということで、会場を出た私たちが向かったのは近くの焼き鳥屋。おじいさんとおばあさんのやっている小さな店で、とにかく一串のボリュームがすごい!レバーとかプリップリで超美味しかった!飲み物は、ビール・日本酒・焼酎・以上!という感じで、ほんとは一杯目はサワー的なものをゴクゴクプハーッと行きたい私もノーチョイスで一杯目から日本酒。出てくる焼き鳥をペロリペロリとたいらげながら、素敵な夜は更けてゆくのでした…。極楽極楽♪