柳家小三治独演会@theatre1010

柳家三之助「道灌」
柳家小三治かぼちゃ屋
仲入
柳家小三治「野ざらし

ちょっと前ですがまた行ってきました小三治師匠の独演会。もう愛が止まらないっ!笑。
今回は北千住駅前マルイの中にあるホール。平日の落語会って大体19時開演なんだけど、会社で朝、開演時間を調べたら通常より30分早い18時半開演!会社を定時(18時)に出ても間に合わない!うーどうしよう…どうしよう…そうだ!早退しちゃえばいいんだ!毎日毎日残業ばかりで有給も全然取れてないんだからいいでしょっ!と急遽16時に早退し肩で風切って会社を出てきましたw

いつものように飄然と登場した小三治師匠が嬉しそうに語り出したのは、なんと羽蟻の話。マルイの11階にあるこのホールの控室の窓に、外側から羽蟻が止まっていたのだそうで、沈みゆく赤い夕日をバックに、羽を震わせて窓にしがみつく羽蟻…いいですねぇとご満悦。そこから、新婚時代に住んでいた家の隣の銭湯がシロアリにやられて大変だった、という話になり、さらにこちらに面している女湯の窓がちょっとだけ開いていて、見えそうで…見えない…うーんあれはなんなんですかねぇ、気になりますねぇとニヤリとして見せ、最終的に奥さんに「ちょっとお前行って内側からもうちょっと開けてこいよ」ってwww
芸人はいくつになっても色気が大事、ということで小三治さんのこういうところも大好きです。素敵。今はもうおじいちゃんだから他意なくワハハと笑っちゃいますが、DVDで30~40代の精悍な男前の小三治さんもよく観てますので、想像するとドキッとしちゃう♪(←バカ)

小三治師匠の底抜けに明るく可愛らしい与太郎大好きなので、かぼちゃを売りに天秤かついで狭い路地に入っちゃって回れ右して出ようとするも「天秤が両側の塀に引っかかって後ろ向けない!帰れない!」と騒ぐかぼちゃ屋、最高でした。「天秤置いて身体だけ後ろ向け」と冷静に突っ込まれるとこ好きw 

そしてそして!なんと!!野ざらし!!!念願の!!!!私小三治さんの野ざらし大好きで、もうipodでは何回聴いたか分からない。特に途中で歌う「サイサイ節」がほんとにもういい声と節回しで、いつ聴いても目を閉じてじいいいいいん…と一人シビレていたのですが、ついに生で聴ける日が…!!これもう聴きすぎて全編ほぼ暗記してるので、噺の冒頭から頭の中で自然に流れる野ざらしと、目の前で演じられる野ざらしがダブルで私を包み込み、そして悲願の生サイサイ節はもう…壮年期の録音と遜色無い素晴らしい出来で、胸がいっぱいになりました。小三治さんの野ざらしばかり聴いていた頃、サイサイ節は基本的には誰がやっても同じような節回しなのだろうと勝手に思ってたんですが、その後他の人のを色々聴くようになり、歌詞はほとんど同じなのに噺家によってリズムや音程が違い、味わいが全く異なることを初めて知りました。そして改めて小三治さんのサイサイ節が私は大好きなんだ!ということを再認識したのでした。身を乗り出して目を輝かせながらサイサイ節を一緒に歌う(声は出してないけど口が動いちゃうの!)私を、きっと隣の方は気味悪がっていたことでしょう。ごめんなさい笑

この間の赤坂区民ホールでのゆる~い感じ(ああいうのも好きですけど)に比べて今回はかなりご機嫌でキレッキレ。かぼちゃ屋も野ざらしも熱演で素晴らしかったです。終演後11階から延々とエスカレータで降りていく間、一緒に乗っているお客さんが周囲でみんな「良かった!」「今日は大ホームランだ!」「すごかったねぇ」と大盛り上がりでしたので、本当に仕事なんて放り投げて来てよかったなぁと思いました。

そういえばまくらの途中で小三治さんが急に「あれ?今日はちょっと開演時間が早いはずなのに、この時間にどうしてこんなに若い人が……おかしいなぁ…」(ニヤリとしてお茶をすする)という場面があり、鋭いッ!と大笑い。いいのいいの!明日できることは今日やるな!今日しかできないことを今日やるのだ!人生一期一会!といろんな言い訳を胸の中で唱えながら、大満足でニコニコ帰路につきました♪