12/17(火) 落語睦会 鯨のゼントルマン @国立演芸場

大好きな喜多八師匠と瀧川鯉昇師匠を一緒に観られる至福の会♪

柳家ろべえ「チハヤフル」
瀧川鯉昇 「持参金」
入船亭扇遊「干物箱」
柳家喜多八うどん屋

大学時代物理学を専攻していたろべえさんが、昔小三治師匠に「大学で学んだことを落語に活かすように」と言われたことを思い出してアレンジしたというチハヤフル。ニュートリノスーパーカミオカンデが出てきて予想外に(←失礼)面白かったです。今日はそんなにうるさくなくて良かったです(笑)

鯉昇師匠は数日前から風邪をひき高熱を出して大変だったと話しだしたので、こちらは本気で心配しながら聴いてたのに「熱を測ったら…80℃ありました」ってあの顔で神妙に言われ脱力。んもー(笑) 無精で金の無い男のところへ持ち込まれた縁談は、持参金付だがお腹に子供まで居るというかなりの難あり。悩みながらも目先の金欲しさでOKした男だったが、その持参金を巡って話は思わぬ方向へ…?!というお噺。若い頃なかなか結婚できず、数十回もお見合いをしたという伝説をお持ちの鯉昇師匠がこういう噺をやるとリアリティーがすごい(笑)ほんと鯉昇さんの「困惑する人」大好きです。

扇遊師匠の干物箱は、吉原へ行きたいけど遊び過ぎて親に禁止されちゃった若旦那が、自分の声色を真似できる友人を自分の部屋に押し込んどいて吉原へ行っちゃおうというのどかなお噺^^。この師匠は高座での姿がキリッとしていて素敵ですね。背筋がピンと伸び語り口もハキハキ明るく笑顔が眩しい。よれよれ~っと出てきてふにゃっと座り、ぼそぼそ~っとぼやく喜多八師匠とは対照的(←愛を込めて(笑))ルーツ的には小さん→入船亭扇橋→入船亭扇遊と、同じく小さん→小三治→喜多八と決して遠くは無いお二人のこの対比はなんとも不思議ですが、でも噺に入ってからの迫力・勢い・聴衆を巻き込むパワーはやはり共通している気もします。こういうところも面白いなあ落語って!と倒置法で思いました。

待ってましたの喜多八師匠は、先週とは打って変わっての言いたい放題(笑)。今度出す自分の本の帯に小三治師匠のコメントをもらったんだけど、あの人はほんといちいちめんどくさいんですよ!とかwwwコラッ!そんでおもむろに始まった噺は「ちょっと…ちょっとお前さん!起きとくれよ!」ってエッ?!?!まさかの芝浜今年三回目?!とビックリしてたらひょいと顔をあげ「ってこういうのはやらないんです今日は」だって。場内大爆笑。「この噺は好きじゃないし、まあ私はできないんですけどね」ってできないことになっちゃった。私は好きだったけどなー。そんで始まったのはこれもビックリのうどん屋。なぜビックリかって、先週喜多八師匠も出た小三治一門会で小三治師匠のうどん屋を聴いたばかりだったので。しかし…可楽師匠のうどん屋が「粋」で小三治師匠のが「人情」としたら、喜多八師匠のはズバリ「泥酔」(笑)いや酔っぱらいがもう何言ってるか分かんない。さすがのリアリティーではありますが、もうちょっと言葉はわかる方が好きかな(笑)

国立演芸場って初めて行きましたが、今までで一番好きな会場でした。
入口から提灯やのぼりで風情があり、館内は絨毯フカフカで客席もゆったり。
幕が開くとまさにこれこそ檜舞台という感じの清々しく美しい舞台が目の前に広がり「ああ日本人で良かったなぁ~」としみじみ思いました。しかも会社から徒歩圏内ということで、こんなに身近にこんな素敵な場所があったなんて~!と感動しましたのでまた行きたいです♪