松山旅行の記(1/2)

11/7(木)~9(土)松山旅行の記

11/8が会社の創立記念日でお休みになったので前から行きたかった松山へ。
11/7仕事終えて羽田から松山へ。機内では漱石の坊ちゃんを読んで(大好き)ムフフと笑いながらちょうど読み終わって松山着。松山空港から道後温泉へリムジンバス移動で22時道後温泉本館の真ん前のホテルに到着。あくせく日々雑事に呑まれていた東京からあっという間に湯の町道後へ着いたことに感動。ヒコウキッテスゴイネ。 
 
翌朝11/8(金)まずは8時に起きて目の前の道後温泉本館へ!
ホテルが目の前だからタオルも持っていけて便利♪って事前に確認してたのに手ぶらで行ってしまい有料タオルを借りるという失態笑 実は今道後温泉本館は絶賛修復工事中で、1階の小さな浴場しか開いてません。でもそこだけでも十分趣を感じられて素敵でした♪狭い浴場に滾々と湧くお湯、「泳ぐべからず」と墨書きされた木の貼り札。湯煙の向こうに坊ちゃんが見えるようでした笑 実際見えたのは地元のおばあちゃん3人衆でお尻並べて朝から元気に嫁の話などをしておりました。肌がツルツルするいいお湯でした。

お風呂あがってトコトコ10秒でホテル。着替えて目指すは朝飯!
路面電車に乗って市内へ繰り出し60年以上続く老舗鍋焼きうどん屋「ことり」へ。
松山のソウルフードが鍋焼きうどんだなんて知らなんだ。松山はうどんに限らず全体的に味付けが甘いとのことで、たぶん好きだわーと路地に迷いながら探し当てると、休日は行列必至らしいお店にするりと入れた。ゆっくりお水を運んできてニコニコと注文を聞いてくれるおばあちゃんに「鍋焼きとお稲荷さん」と定番の注文(事前学習済み)をキメた。お稲荷さんはまあ普通。うどんは美味い!っていうか出汁がうまい!伊予灘で獲れたいりこのだしとのことで、本当にはらわたに染み渡る魚のだしのうまさよという感じでおつゆをごくごく。うどんをつるつる。甘く煮た牛肉をもぎゅもぎゅ。うんうまい。ごちそうさまとものの20分足らずで店をあとに。みんなそんな感じなので行列していても回転は速そう。

あんまりいいお天気なので海を見たくなり、ふらりとまた路面電車に乗り込み松山駅へ。松山は路面電車の町。市内を走り回る路面電車は一律160円で数分おきに来るのでほんとに足として便利。ひょいひょい乗ってゴトゴト移動して旅情もあるし楽しい♪(1日券とかもある)

松山駅で路線図とスマホでリサーチし、「シーサイドパーク」とやらがある駅に行くことにする。この公園は浜辺におおきなモニュメントがあり、その穴から夕陽を眺めるのが売りのようで、夕方にはカップル達が集まるハート(黄)とのこと。何を言うてんねん夕陽なんか穴通さずに目の前に広がる大海原を見なさいよ効率悪いでしょと悪態をつきながら(もちろん脳内で)早く行って早く帰って来ようと慌てて電車に飛び乗…りたいところだけど地方あるあるで電車は40分後。そして公園へ着いたら40分後の電車に乗って戻ってこないとその後2時間は戻ってくる電車がないという背水の陣(?)滞在時間より移動時間のほうが長いけど、2両の電車に乗って車窓から山や海を見ながらのんびり~♪ 
公園についたら!海が超絶綺麗で絶句!!瀬戸内海初めて見たけどめっっっちゃ綺麗!そしてカップルどころか誰もいない。ちょうど現れた一眼レフを抱えたおじさんを捕まえて海と私をスマホで撮ってもらう。立ち位置などを指示されたりして謎のコンビになったけど後で写真見たら上手だった!おじさんえらい!
大好きなじゃこ天を売店で買ったら揚げたてで持てないくらい熱い。ハフハフ食べてあまりのおいしさにお代わりを悩みつつ後ろ髪ひヵれながら駅へ戻る。じゃこ天のために2時間ロスはできないからね。

松山へ戻り、次なる目的地は今回の旅のメインイベント「伊丹十三記念館」!!
私が一番好きなエッセイスト伊丹十三を堪能しちゃう!!(映画は観たことない!)
路面電車とバスを乗り継いで到着するともう看板だけでテンション上がる!
伊丹さんが長年CMにも出ていた松山銘菓「一六タルト」の看板と並んでいるのもうひょー!ってなるね。興奮しながら入館すると急にしーんとなりこれまたひとけが無い笑。受付で丁寧な説明を受け各コーナーの見所や解説の載った紙をもらっていざ展示室へ。

まず奥様の宮本信子さんのご挨拶の映像に迎えられ、目を潤ませながら伊丹十三を語る姿に十三への愛と、最愛の人が残念な最期を遂げた辛さが伝わってきて早くも胸がいっぱいに…十三が映画を撮りだしたのは40過ぎからで、彼は幼少の頃より絵や文章の才能がすごくて、20代で上京しデザイナーとして活躍→俳優として活躍→山口瞳と出会いエッセイストとしても活躍→40過ぎて映画監督の道へ、という感じでいろいろ活躍した人(←語彙)幼少期の写真、描いた絵の実物、デザイナー時代の作品、エッセイの原稿と挿絵(もちろん十三画)の実物、その絵のモデルとなった物の実物(急須とか食器とか)などなど、十三ファンにはたまらない展示がたくさん!決して広くはないけど、十三のこだわりが生きた展示がみっちり詰まってて見ごたえがあり、2時間くらいかけて堪能。(映画コーナーは駆け足で笑 宮本信子さんすみません)

エッセイはその人となり、考え方、思い、こだわり、が丸出しになるものだから、私は伊丹十三の表現手法であるところの文章や絵ももちろん好きなんだけど、その根底にある好奇心旺盛で芯が通っていてこだわりが強くてくだらないことも一生懸命やってとにかく人生全部楽しんじゃおうよ!という姿勢が大好き。視点が絶妙に斜めでひねくれてて依怙地なところも好き。同じくひねくれもので鳴らした(?)山口瞳伊丹十三の初エッセイ集「ヨーロッパ退屈日記」に添えたコピー「この本を読んでニヤッと笑ったら、あなたは本格派で、しかもちょっと変なヒトです」は言いえて妙で、絶対一番ニヤッとしてるの山口瞳だし笑 山口瞳伊丹十三のコンビは私の宝物です。そこに山口瞳の戦友向田邦子を加えたこの3人が私のオールタイムエッセイストベストスリー!(カタカナゼメッ!)

展示を見終えると併設のカフェで十三饅頭(笑)や十三の愛したシャンパンが飲めます。私は朝からうどんとじゃこ天しか食べてないので十三饅頭とこの記念館を模したお洒落なチョコケーキを豆乳カフェオレで。持参の十三のエッセイをパラパラしながら…はあ…幸せ…で、まあ、お約束のショップでTシャツやらクリアファイルやらで散財キメまして、満喫して鼻息まで十三色に染まりながらすっかり暮れた街をバスと路面電車でゴトゴト道後へ戻る。。。

伊丹十三に酔いしれて道後へ戻った私は一路鯛めしで有名な「丸水」へ。
松山といえば鯛(らしい)!そして鯛めし!といっても炊き込むやつじゃなくて刺身を卵と出汁で絡めてご飯にのせて食べるやつ。私が普段よく作る漬け丼(漬けにした刺身を卵黄に絡めてご飯にのせて食べる)と似てるからもう絶対大好きだもんね!と前のめりで入店。観光客風一人客も居て、店内みんな鯛めし食べてる。「当然鯛めしでしょ?」的に来た店員さんに言ってやりました、ええ、「日本酒と松山3点盛り」と。えへん。そして結局チビリチビリと日本酒(70㏄だよ念のため)x3杯キメてからいざ鯛めし。うん。間違いない。美味い。ただ、薬味も刺身も全部この卵の小鉢に入れて混ぜてご飯にかけてくださいね!という割に小鉢の注ぎ口が小さくて刺身全然出てこないからね、そこは改善点ね(誰目線)

そしてお酒も少々入りお腹も膨れたしそろそろ寝る・・・と見せかけて温泉だっ!
ということで、今回工事中で本館では味わえなかった道後温泉名物「湯上りにお茶を頂きながら大広間で休憩」を別館「飛鳥の湯」で堪能しました。
まだ新しい施設ですが、随所にこだわりがあってとにかく美しい。夜に行ったのでライティングも美しい。1階で入場料を払い、お風呂に入り、上がったら二階へ移り、大広間でお茶とお菓子を頂きながらゆっくり休憩。大広間でいろんな人が思い思いに休憩している様がまるで坊ちゃんの時代のよう…ってまた誰もいないんかーい!ってなるひとけのなさ笑 平日おそるべし。道後温泉観光案内所でもらった地図を熟読しながらゆーっくりできていい時間でした。ちなみに新しいだけに、浴場では壁画でプロジェクションマッピングなんかもあって面白かったです。

次回へ続くっ!