柳の家の三人会 @ 目黒パーシモンホール

道灌 柳家小かじ
お化け長屋 柳家三三
夜の慣用句 柳家喬太郎
妾馬 柳亭市馬

18:30開始ということで、定時に上がって駆け付けてもギリギリ間に合わない(泣)
こういう時に限って駅の券売機で1000円札が3回も戻ってきてムキーッ!ってなりながら、汗だくで到着。
平身低頭って感じで(文字通り(笑))コソコソ席に入れていただきました。
柳家に入門したらまず習うという道灌、初めて聞いたのに途中からで残念でした(再泣)

お化け長屋(前編)はさすがの三三さんのそつのなさで綺麗に出来上がっておりました。話に夢中になり過ぎてもくべえさんの膝に乗ってくる職人をゆっくり膝から降ろすところが笑えました。私は後編も好きなので、うおーそのまま続きもやってくれぇとちょっと寂しかったけど。
この噺は前編を三代目金馬、後編を志ん生が演じたリレー落語のCDがあり、両方大好きな私にはたまらない共演なんですが、金馬のくっきりはっきり歯切れのいい前半から、うだうだふにゃふにゃ(笑)志ん生が飄々と演じる後半と、その対比も何とも言えず素晴らしいオススメの一枚です♪

喬太郎さんは鉄道ネタのまくらから。会場の最寄駅を通る東急東横線副都心線みなとみらい線とつながったことへの不満を、駅に成り代わってぶちまけておられました(笑)「この駅に和光市行きの電車が通る衝撃っ!!」とか「なぁにがみなとみらいだ。みなとにみらいなんかねえっ!」とか。言いたい放題。結論としては「いつも調子に乗っていて鼻持ちならなかった代官山駅を叩くなら今!」ということらしいです(笑)なぜなら埼玉なんかと直通にされて満身創痍だから、ってほんと埼玉バカにしますよねー喬太郎さん。いいけどぉ…(笑)
夜の慣用句、初めて生で見ましたが最高でした。よくできた話ですよねー。酔っ払いの描写もほんと秀逸で、あーいるいるこんなやつ!と共感しきり。枝豆をさやから出したり入れたり豆腐に詰めたりするくだりが大好きです(笑)

市馬さんは登場してまず一言「どうもお見苦しいものをお見せして…」って(笑)
まぁ確かに、市馬さんの落ち着いた物腰とやわらかい語り口から繰り広げられる、ゆるぎのない古典の世界を堪能した後に喬太郎さんの出番を思い起こすと、「……おいっ!」とツッコミたくなる気もしますが、それはそれ、これはこれで。どっちも大好き。
市馬さんの妾馬は、出てくる人みんなが温かく、ほんと癒されました。特に八五郎のお母さんへの配慮が随所に見えて胸を打つ。。。大家さんが八五郎に羽織を貸してあげたところで「一回うちに帰っておっかさんにその姿見せてあげな、喜ぶから」とか、八五郎が殿様に今度おっかさんも呼んで赤ん坊をちらっとでいいから見せてやって欲しい、散々初孫初孫と長屋中喜んで言いふらした後で、でも会えないんだと家でしょんぼりしてたから、と言うところとか。ほんと泣かせる…市馬さん、もっと観たいなぁと思いました。

三人三様それぞれの個性が光る、ハイレベルの競演で大満足の柳の家でしたー♪