すごいぞ御手洗探偵!

先日図書館で借りてきた「占星術殺人事件」読みましたー。
うーん……これはすごい、すごいです!トリックが!鮮やかっ!
久しぶりに本読んで「あっ!」って言いました。
まさに作者の術中にまんまとはまったという感じ。
事実だけ並べて見たら、決して気づけないトリックではないと思うんだけど、本を読み始め、
このお話の世界に入り込めば入り込むほど、気づけない。素晴らしい。
よくミステリでも「謎が謎を呼び決して解けない迷宮入り!」みたいな事件の場合、
解決篇で探偵とかに自慢げに解説されても、「は?!」ってなるのあるじゃないですか。
え、どゆこと?!なんのこと言ってんの?!、って前のページまで戻って色々考えないとわかんないみたいな。そういうのは消化不良なわけですよね。カタルシスがないっつーか。
ま、私がバカなだけかもしれませんが。
でもこれは違います。ものすごい謎だらけで解決不可能感満載な事件なのに
(なにしろ発生から40年も解決できずにいる事件という設定)、
解決篇では一瞬で「あ!!!なるほどそっかすげー!!」です。そんでトリックに気づくとすぐに犯人像も「え?じゃあ、あれ?まさか!」とつながっていく思考が気持ちいい!
これが島田荘司のデビュー作だそうで、御手洗探偵も当然デビュー作なわけですが、
御手洗探偵の魅力も満載です。素敵素敵。

私はそんなにミステリファンではないのであれですが、
今までにもっとも衝撃を受けた「すべてがFになる」(森博嗣)シリーズに次ぐ(一位は不動なのね)お気に入りシリーズになりそうです。
すべてがFになる」シリーズの探偵役・犀川教授と、御手洗に共通点を感じるのは私だけでしょうか。ってまあ探偵のキャラは似るもんかもしれませんね。探偵と言えば占星術殺人事件の中で御手洗がシャーロック・ホームズについて語る部分がありますが、かなりウケます。ホームズ崇拝者のお気には召さないと思いますが(笑)。
この間の「暗闇坂ー」も会話劇が楽しい探偵譚でしたが、今回はデビュー作ということもあってか、一段と作中での会話が盛りだくさん、サービス精神満載で、楽しいです。
しばらくは御手洗・石岡コンビを追いかけたいと思います!