ポルトガル旅行記 3/6日目 12/31(火)

2013年大晦日リスボンは朝からあいにくの雨。ポルトガルは冬は雨の季節なのでしょうがないんだけど、土砂降りではなく小雨が降ったりやんだりと言う感じなのと、寒くないのが救い。寒さは東京に比べると大分緩くて、ヒートテック+ニット+コートという日本スタイルだと街を歩いているうちに汗かいちゃう感じ(坂だらけだしね)。ポルトリスボンより大分北なのでどうかなと思ったんだけど、気温はそんなに変わりませんでした。

特急の時間を考えて7時20分にはホテルを出発したい私は、7時開始のホテルの朝食は諦めるつもりだったんだけど、昨日の朝食(っていうかパンね)にいたく感動したロボエが「絶対食べる!5分でもいいから!」と言い張るので、早起きして全部身支度整えて、荷物も持って7時ジャストに食堂へ(笑)意外にも十分食べられたという奇跡。いや執念(笑)

今日行くのはリスボンから北へ特急で約3時間、その坂の多さから「七つの丘の街」と呼ばれるポルト。街の中心から川へ下ってくる起伏に沿ってオレンジ屋根の家々が並ぶ様子は可愛らしく、「魔女の宅急便」のモデルの街の一つと言われているそうです。名物は「ポートワイン」。甘いワインとして日本でも意外と知られていますが、そのポート(Port)がここポルト(Port)のことだとは知りませんでした。ということで、街の中心部から川を挟んだ対岸にはたくさんのポートワインのワイナリーがあります♪

特急の所要時間は約3時間。11:00にポルトサン・ベント駅到着。
サン・ベント駅は「世界で最も美しい駅」の一つに選ばれたこともあるそうで、ポルトの歴史や農村風景が描かれたポルトガル名物「アズレージョ」というタイルが、広々としたホールの壁一面を覆い、本当に美しい。ひとしきり写真を撮り表に出ると、「うわぁ坂だらけ!」リスボンも坂だらけではあるけど、広々としていて街並みも綺麗に整備されているのでそこまで坂を感じない一方、ここポルトはギュッとちっちゃな街で狭い路地も多い下町のような感じなので、勾配がほんと急なんです。予想以上の坂の迫力にビビり、「色々歩き回ろうネ♪」とか言ってたラフな予定を見直し、周る場所の順番を坂の上→下になるようにきっちり組み立てる(後半に「上り」があると挫折する可能性が高いため(笑))駅から出て歩き始めると、色々なお店のショーウィンドーに美味しそうな色とりどりのお菓子があってロボエといちいち釘付けに。あれなんだろう!?あ!あれがカステラの起源になったパオン・デ・ロウだよ!とか。全然進まない(笑)基本的に店のショーウィンドウにおしゃれ感とかデザインの美しさとかは求められておらず「売ってるもん全部見せたい!どうだどうだ!」という感じで、その素朴な迫力に感動。

ランチは「フランセジーニャ」。フランセジーニャはここポルトで生まれたB級グルメで、ハムや薄切りステーキ、チーズに目玉焼きなど、いろんなものを挟んだパンの上からさらにドーンとチーズをかけ、その上からまたグレイビーのようなトマト風味のような不思議なソースをかけた迫力満点の一皿。お店によっても色々味が違い、地元の人はそれぞれ好きなお店があるとか。早速ガイドブックで調べてきたサンティアゴというお店を目指すも、なんとそのお店に「closed」と張り紙があって大ショック!他のお店でも食べられるんだけど店の決め手に欠け、悩みながらウロウロしていると、やたら1軒だけギュウギュウに混んでる店を発見!メニューを見るとフランセジーニャもあって、店名を確認したらなんと!「サンティアゴ」!これはきっとあっちのサンティアゴが移転したのでは?!(←真偽不明)ということで、入ってみる。見回すと、みーんなフランセジーニャを食べている!地元のおじさん10人くらいのグループも、みんなビール片手にワイワイ食べてて超楽しそう。周りの「一人前」が結構大きいのでシェアすることにし、ほんとはうちらも得意のVINO VERDE(緑のワイン)なんかを飲みたいところだけど、まだまだ今日は観光に歩き回らなければいけないので、お水で我慢。そして運ばれてきたフランセジーニャは!なんか輝いてる!超うまそう!しかもわざわざ半分ずつにカットして出してくれて感激。一口食べて二人でおお!と顔を見合わせお目目キラキラ。超うまいー!!パンとハムとチーズとソース(全部だね)が混然一体となり、ソースに浸ったポテトと食べるともう最高にB級な気分(←褒め言葉)これは地元の人が通うわけだよねーうちらだって毎週末のランチに来てVINHO VERDEと食べたいもんねーと盛り上がりつつ、ふと外を見ると店の外には数人が順番待ち。その界隈では目立つ混み具合でしたので、やはりあそこは人気店だったのだとおもいます。大満足!

その後世界でもっとも美しい本屋ランキング第3位の本屋さんへ。店内撮影禁止のため写真は撮れなかったので、興味のある方はこちらのサイトで。
http://news.livedoor.com/article/detail/7812853/
たしかに独特の階段の曲線とか店内の装飾とか優美で美しかったんですが、
でも狭い店内に私達のような観光客がギュウギュウいて細かい所は見えないし、店員さんがずっと「no picture」とか言って見張っているし、まあここはネットの写真で見た方がその素晴らしさが分かるかなと言う感じでした。本屋さんとして普通に営業しているのにこんなに観光客が来るようになっちゃって、お店も迷惑なんだろうなという感じもしました。(でもそのわりには二階の一画がお土産コーナーみたいになってたりしましたが(笑))

そこからブラブラとお土産屋さんや雑貨屋さんをひやかしながら坂を下り、ガイドブックに赤ペンでグルグル丸を付け「絶対食べる!」はずだったケーキ屋さんのお休みに打ちのめされたりもしながら(笑)、目指したのはサン・フランシスコ教会。14世紀に建てられたこの教会は、ガイドブックに「金箔や金泥細工で覆われた内部の彫刻とバロック装飾は必見!」みたいに書かれており、成金趣味的金ピカ教会なのかな~といまいち惹かれなかったんですが、でもまあ世界遺産だし行ってみっか、ってな感じであまり期待もせず行ったところ、教会の中に入った瞬間に息を呑み瞠目!!いやここはほんとすごかった!まず、全然金ピカではありません。金は長年を経てくすみ、黒ずみ、それに覆われた様々な彫刻は薄暗い教会の中で素朴なステンドグラスからの淡い明かりに鈍く浮かび上がり、なんとも言えない凄みと迫力をもってこちらに迫ってきます。壁一面の彫刻や祭壇を一つずつゆっくり見ていくと時間を忘れ、全て観終わってからも魅入られたように去りがたく、礼拝堂のベンチにしばし二人で腰かけておりました。キリスト教に縁の無い私でもなんだか非常におごそかな気持ちになり、まあ突如そこで信仰に目覚めたりはしませんでしたが、でも大昔から神を信仰して生きてきた人々の気持ちが少し分かったような気がしました。そしてふと気づくと1時間以上経っていてビックリ!慌てて腰を上げました。

次はポートワインのワイナリー見学。教会で予想外にゆっくりしちゃったので、大晦日の最終見学ツアーの15:00にギリギリで到着。そして綺麗なお姉さんに見学ツアーの申し込みをしたら「ポルトガル語のツアーになるけどいい?」ってえええええ!!いくないいくない!!英語でツアーの時間を問い合わせてた私達にポルトガル語のツアーの時間教えてどーすんだよ?!と絶句するが、もうどうしようもないので参加することに。もちろんツアーの最初から最後まで、何言ってるのかじぇんじぇん分かりませんでした。だんだんみんなと離れ、勝手にその辺で写真を撮ったりしだす私達。だって暇なんだもーん。ツアーの最後に控えるポートワインの試飲を目指すのみ(笑)
試飲は3種類あって、赤が二つと白が一つ。もちろん説明が理解できてないので、どう違うのかは知りませんが、待ってましたと飲み、エラそうに感想を言い合う私たち。あとで調べたんだけど、ポートワインとはまだ糖分の残っている発酵途中のワインにブランデーを加えて酵母の働きを止めるというもので、だから甘いんですね。甘くて濃厚。食前酒やデザートワインとして飲むようですが、私達はあまり好みではなかったのでお土産は買わずにワイナリーをあとに。

川べりまでテクテク下りて行き、そこからケーブルカーで橋の上へ。ポルトの街の中心部とワイナリーのあるエリアとの間には大きな川(ドウロ川)が流れており、そこをつなぐこの橋の上は、ポルトの絶景ポイントとして有名(ガイドブックなどで紹介されるポルトは大体ここからの写真)オレンジ屋根の映える昼も、両岸の灯りが川面にキラキラ美しい夜も、どちらも素晴らしい☆ここから見える市街地は「ポルト歴史地区」として世界遺産登録されており、さっき行った教会やその他歴史的価値の高い建物達がギッシリ建ってるんだけど、全体として見ると「なんか可愛い」んですよね。キキがホウキに乗ってその辺の屋根の間からピョコンと飛び出て来ても違和感のない感じ^^

写真をパチパチ撮りながら橋をテクテク歩いて渡り、街へ戻る。大晦日は店じまいが早く、元旦はほとんどのお店が休みという観光客知ったことか精神を貫くポルトガル(←決めつけ)なので、まだ17:00だけどあと1-2時間が限られたショッピングタイムであり夕飯を食べる店を見つけなきゃいけない時間。まあでもほんとポルトは古き良き街という感じなので、ショッピングと言ってもあまりめぼしいものはありませんでしたね。お土産もポートワインを除いてはリスボンと変わりないので、あえてここで買わなくてもいいかなと。ここは買いものとかより、テクテク歩いて見て回り、そのゆったりした時間を楽しむ街ですね。ふくらはぎパンパンになるけどね。ということで結局何も買わず、ショッピングセンターのフードコートで大晦日のディナー。年越しカウントダウンの時間まで、ホテルへ戻って休憩しよう!と店を出ると、街はなんだか浮き立つように人々が楽しそうで、たくさんの荷物を持ってニコニコと家路を急ぐ人達とすれ違ったり、にぎやかに年越イベントの準備をしている広場を通りかかったりして、いやがうえにも年越しへの期待が高まる!そしてホテルに着くやいなや爆睡した私は23時半にロボエに起こされ慌てて支度(笑)

二人でホテルを出ると、街の中心部に近づくにつれて予想以上の人波がぞろぞろと動いていて圧巻。そこかしこで興奮した人々の嬌声や歓声があがり(みんなお酒入ってるからね)笛と言うかラッパと言うかなんかそういう音もピーピープープーかしましく、もうみんながとにかく「音を出したい!」という気概にあふれていてにぎやか。やっとの思いで広場的なところへ着くと、そこはもう身動きもできないくらいの混雑で、そんな中で屋台でお酒を買って飲んでる人も居るし、ステージでは大音量でライブみたいのやってるし、風船のかたまりはフワフワしてるし(あとで飛ばすんでしょうね)いやほんと大騒ぎです。で、いよいよカウントダウンが始まるわけですが、ポルトガル語なので今何秒前なのか分からないという誤算(笑)「今何秒前かな?」「そろそろかな?」とか言ってるうちに「ゼロ―!」的な大歓声があがり、空には風船と紙吹雪が舞い、そしてド迫力の花火も!!のはずが・・・あれ??花火は??どこ?!ってなった横の方でドンドンと音がして、建物の端から花火が半分見える!痛恨のミス!花火のあがる広場はここではなかった!!事前に上がる場所は把握してたんだけど、寝起きでボーっと人波に付いて来たらここに着いたのでてっきりここかと(←言い訳(笑))まあでも花火は結構見えたのでよしとしましょう。それよりここで事件が!興奮してデジカメを掲げて花火を撮っていた私が、なんか腰のあたりに違和感を覚えふと見ると、知らないちっちゃいおじさんが私の斜め掛けバッグを開けようとしていた!!これにはほんとギョッとし、胆が冷えました。幸いおじさんがファスナーにてこずっている時に(不器用かっ!)私が気付いてしまったのでそそくさと去っていきましたが、それからはバッグはしっかり胸に抱えてました。治安がいいからと油断してましたが、こんな人混みでバッグを気にせず「どっこいボディーががら空きじゃい!」状態で夢中で写真を撮るなんて我ながら間抜けだったと反省。ポルトガルで出遭った最初で最後の「犯罪(未遂)」でした。あー無事でよかった!

花火が終了してもその一帯ではドンドコドンドコ音楽が鳴り続け、酒の瓶を抱えて騒ぐ若者もたくさんいて楽しそうでしたが、うちらは満足してホテルへ帰ることに。しかしホテルに着いた私達の前に驚くべき、いや喜ぶべき光景が!私達のホテルは川沿いなので周囲にカフェやバーも多く、昼間はパラソルの下優雅にお茶をする人とか見かけていたんですが、なんとそこがこの時間に結構営業している!!そしてみんなそこで飲んでいる!これはおとなしくホテルへ帰るバカはないだろう!ということで、さっそく一軒に入りワイン1本とプラスチックのコップを受け取り外の席へ。カウントダウンで大騒ぎした後に川沿いの綺麗な夜景を見ながらワインで乾杯♪なんて図らずも最高の年越しプランでした(*^^*)飲み始めた時点で既に深夜1時頃でしたが、時間を追うごとに人が増え、川沿いをのんびり散歩する人、ワイワイ飲む人達、寄り添って歩くカップルなどなど。さっきの広場みたいな大騒ぎではなく、静かにさざめくような賑わいがいつまでも続き、楽しい時間でした。目の前の席のおじさんは大きな黒い犬をお供に一人で静かに飲んでいて、そこを通る人が立ち止まっては犬に話しかけていく様子も印象に残っています。結局3時頃まで飲んでいい気分で目の前のホテルへ戻り爆睡。ということで、うちらの2014年はやはり酒と共に始まったのでした~♪ららら~♪