プラハ旅行記(12/28~1/3)二日目~クトナー・ホラ~

昨夜ホテルに着くなり爆睡し、やる気満々でスッキリ目覚めた私が今日目指すのは、プラハから急行列車で1時間ちょい、郊外の街、クトナー・ホラ。13世紀後半から銀の一大産出地として栄えた街で、当時の栄光を伝える施設や教会が見どころの、世界遺産の街です。

中でも楽しみにしていたのが「墓地教会(納骨礼拝堂)」!その名の通り、というかその名に恥じずというか、4万人以上の骨を保管し、そのうち1万人以上の「人骨」で装飾された礼拝堂が自慢の教会。ガイドブックで「人骨の全てのパーツを使って造ったシャンデリア」などを見て「うおーなんだこりゃ絶対行きたい!」ってなったんだけど、実はお化け屋敷も入れない怖がりのリコちゃん。でも怖いもの見たさには定評のあるリコちゃん。山の中にポツンと建ち、訪れる人もまばら…とかだったら無理だなと調べてみると、街中にありしかも人気の観光名所。ということで突撃あるのみ!モリモリ朝食を食べた後、極暖ヒートテック+カシミアニット+ウルトラライトダウン+コートで完全装備!どうだどうだ!かかってこい氷点下!と勇んでホテルを出た私を迎えたのは降りしきる雪、雪、雪。今日はたくさん歩く日なので一瞬まじか!とショックを受けるが、しかしその雪がまたクラシックな街並みに映えること・・・♪雪の中を走るトラムをうっとり眺めながら駅へと歩き出したのでした。そしてなんと、装備が完璧すぎて全然寒くないw すごいぜユニクロッ!

列車で楽しみにしていたのはそう、憧れの「コンパートメント」!これ海外のミステリとかによく出てきません?「コンパートメントで乗り合わせた乗客が」とか言ってさ、なんか前に座った乗客を観察して推理しちゃったりするやつ!キャー!どんなんだろうコンパートメント!と興奮しながら乗り込むと運良く無人のコンパートメントがあったので窓際に座り一人でニヤニヤ。そうだ!コンパートメントの写真を撮らなくちゃ!と席を立ったところでチェコ人学生3人組が入ってくるもめげずに「この部屋の写真撮らせてね!」とかいって嬉しそうにパチパチ撮ってたら笑いを噛み殺したような顔で「座ってるところ撮ってあげようか?」と言われ大喜びで「キャーありがとう!」とカメラを渡したら「まじか!」ってなってたw 冗談だったんかw でも撮ってもらって大満足ですありがとう♪

最初のコンパートメントは座席が一つずつになっていたんだけど、乗り換えた後の列車のコンパートメントはただの長いシートの向い合せで、こちらの方が私のイメージ通りでした。日本の電車のボックス席と違って廊下(?)から扉をガラガラと開けて入る完全個室なので、知らない人同士でもずっと一緒に乗ってるとなんか連帯感が出てくる感じ。ミスマープルみたいなおばあちゃまが乗ってたら、美味しいお菓子と紅茶を楽しみながらずっとおしゃべりを聞かせてくれそう♪ってあ、もうコンパートメントの話いいですか?そうですかw 乗り換え後同室になった読書中のおじいさんがカッコよすぎて隠し撮り。おじいさんが一人で座ってるところに私が入らせてもらったんだけど、顔をあげてニッコリ笑ってくれた笑顔が素敵すぎました♪そんでそのあと乗ってきたおばちゃんが座ろうとした瞬間、発車の揺れでおじいさんの肩にお尻ボヨーンってぶつかっちゃったのがツボでしたw

クトナー・ホラに着き、まずは墓地教会と聖母マリア大聖堂のあるセドレツ地区の最寄駅に降り立つも、何も無さに絶句。いや、あの、ここ世界遺産地区ですよね?と戸惑いつつ、でも同じ列車から降りた観光客風がバラバラと雪道を歩いていくのでついていく。顔が寒い!冷凍庫にずっと入ってるようなこの冷気が、なんかこう目が覚めるというか感覚が研ぎ澄まされる感じで気持ちいい!そうこうしているうちに前を歩いていた人達を見失い(何も研ぎ澄まされていない証拠)、キョロキョロしていると墓地教会らしき分かりやすい看板を発見し一人で笑う。「そりゃそうだけど!」っていうw(写真参照)

教会の外観はかなり地味。敷地も狭く、うっかり通り過ぎてしまいそう。しかし中に入ると一瞬で骨骨骨だらけの世界に囲まれ、やはり相当のインパクトでした。シャンデリアに紋章、聖杯などなど、こんなに大量の人骨を間近に観たことないので、だんだん麻痺してきて不思議な気分になります。メメント・モリな空間のはずなんだけど、これだけ無造作に大量に目の前に積まれていると逆に物質として認識されてきちゃってあまりそこに思考が行かなかった。あと観光客が多く、みんなしゃれこうべの横でピースして記念写真♪みたいな感じなので、荘厳とか厳粛とかいう雰囲気も無く、まあ観光地として興味深い場所だった、という感想。お土産で実物大のしゃれこうべのレプリカが買えるらしいんだけど、これが空港の荷物検査でひっかかって問題になることが多いらしく、ネットでは持ち帰った人が注意事項など書いていて面白かったです。そりゃエックス線で実物大の頭蓋骨映ったら止められますよねw

次はここから徒歩30秒、聖母マリア大聖堂。1300年頃に建てられたもので、当時の物としてはチェコ最大らしく、天井が高く、壁や柱が優雅で美しい教会でした。あと2階へ上がるらせん階段が素敵でした。ここで初めて「懺悔室」の実物を見て、色々な角度から中を覗きこんでへぇ~!ほぉ~!と堪能(中に入れないのが残念!)。レイ・ブラッドベリの短編で、少年と老神父が懺悔室で交流する話があるんだけど、実物の懺悔室を見てなるほどと色々イメージが湧いて楽しかった。確かにこの狭い空間ですぐ近くからいい声で語りかけられたら色々しゃべっちゃいそう!と妄想。

次はこれも世界遺産の「聖バルバラ教会」なんだけど、場所が離れているのでバスで移動。バス停にはおじいさんが一人ポツンと立っていて、チェコでバス初体験の私が時刻表を何度も見たり、ガイドブックで「バスの乗り方」を見たり、地図を見たりしてドタバタしているのをのんびり)眺めていたんだけど、バスが姿を見せると私の顔を見てうんうんと頷き、バスが着くと乗りなさい乗りなさいと私を先に乗せようとしてくれて和みました(^^)(いやお先にどうぞと譲りましたがw)
そして無事目的のバス停で降り、まずはその近くにあるダチツキーというビアレストランでランチ。ここのビールがまた美味しいらしく、日本からこのビールのためだけにまた行ってきた、みたいなブログも見ていたので、ビール苦手な私もトライしてきました。チェコは一人あたりのビール消費量が世界一らしく(今回初めて知りましたが)、街の至る所にホスポダと呼ばれる居酒屋(ビアレストラン)があるので、怖がらず飲んでみよう!と思っていた私のこれがチェコ初ビール。「美味しい!」と思えるところまでは行かなかったけど、苦みが少なくまろやかで飲みやすかったです。飲み干せたかどうかは……写真でw。暖炉の前で仲良く食事を楽しむ家族連れに癒され、店員のお姉さん達も親切で居心地のいいお店でした。

お腹もいっぱいになり、身体も温まったところで、クトナー・ホラ最後の目的地、聖バルバラ教会へ歩く。ひとっこひとり居ない雪道をポクポク歩くこと15分、遠くにいくつもの尖塔が見えてきた。坂道を下りながら下の方にだんだん見えてくるんだけど、その全景が見えた時には思わず「ほぅ…!」と声が出ました。雪の中静かに佇む聖バルバラ教会、本当に美しかった!
入り口で日本語の説明書を貸してくれるんだけど、ありがとうと借りてしばらく歩いてから見たら思いっきり中国語。おいっ!と戻って「これ中国語なんで日本語おくれ」と言うと「oh ! sorry !」と言って再度くれたのでやっと読める…そうそう漢字がね、結構多いんだよね、ってまたこれ中国語ー!というやりとりありw まあいいんですけど。内部はステンドグラスが美しく、豪華な祭壇や巨大なパイプオルガン、高い天井に細かい彫刻と素晴らしかったです。椅子(参列席みたいなところ)に座れたので、しばし座って上下左右を見廻し満喫して来ました。しかしやはり私はこの教会の外観が好き。大小たくさんの尖塔が空を指してキリッと建っている様子が素敵。

外に出ると眼下に街を一望できて、うっすら雪をかぶった街並みが綺麗。そしてふと見上げた一対の天使の彫刻にも雪が積もり、そのなんともいえない表情と雪のコラボが秀逸。そこから細い路地の小さなお店を冷やかしたりしながら街の中心の広場を抜けて駅へ。朝プラハで買った切符に二駅分を買い足さなきゃいけなかったので切符売り場のおばちゃんに聞くと「8チェココルナ(約50円)」って安っ!!そういえばプラハから急行で1時間の切符代も約600円とお得だったし、チェコ電車賃安い♪「プラハ行くには何時の電車に乗ればいい?」と聞くもおばちゃん英語が微妙だったので(いや私もだけどさ)、いつ電車が来るのか曖昧。ドキドキしながら待つことしばし、待合室の人達が突然みんなホームへ出て行ったのでついて行ってみると、ホームからちょっと離れた場所に2両編成の可愛い電車が止まっている。しかし誰も乗らない。私が乗るのはあれなのか?違うのか?テンパってまたおばちゃんの所に行って焦りながら「Is that train ?」と聞くとおばちゃんが真顔で「Yes! Yes!」と言って乗れ乗れという身振りをするので慌てて走って行って乗る。しかしあとで考えたら「is that train ?」ってどうなのw 私とおばちゃんの緊迫した(?)やりとりは実は「あれは電車ですかッ?」「そうです!そうです!」というおマヌケ会話だったのでは?!w ジェスチャーと表情って大事ですね。 意思の疎通はほぼそこに頼っているんだなと改めて認識。

二駅先で乗り換え、てっきりそれで一路プラハへ!と思っていたのに途中の駅でどんどんみんな降りちゃうので、え、何?!とキョロキョロしていたら、前に座っていたおじいさんが何か言ってくれたんだけどチェコ語(多分)で分からず、そしたら「ここ、終わり、降りる」みたいなジェスチャーで教えてくれて、なんと終点でした。そこからプラハ行きをまた探すんだけどなかなか見つけられなくて、駅員のおじさんに聞いたら「2番線。・・・か、3番線。・・・多分2番線。っていうかインフォメーションで聞いて!」って言われたw そしてホームからホームへウロウロ迷っているとさっき終点を教えてくれたおじいさんとまた会った(おじいさんも迷ってた)!おじいさんが「参ったよ!」というジェスチャーをして見せ、笑い合う私とおじいさん。ビバ!ボディランゲージ!それでもなんとか正解の電車を見つけ出し、また大好きなコンパートメントに乗り込み、無事プラハに帰ってきました♪乗り物に乗るたびに色んなおじいさんに癒されたり助けられたりした一日でした。チェコのおじいさん達ありがとう!

たくさん歩いて足が棒のようだけどすごく楽しかった観光第一日目♪
本当は夜、人形劇を観に行く予定だったんだけど、力尽きて行かず。
浴槽に湯を張ってゆっくり入り、休足時間をペタペタ貼って部屋にあったカモミールティーを飲んで8時半に寝ちゃう。明日はプラハ城♪