プラハ旅行記(12/28~1/3)三日目~プラハ城~

プラハ3日目はプラハ城へ!一番の見どころ、聖ヴィート大聖堂が昼間大混雑するらしいので、オープンの9時にお城に着くように元気よくホテルを出る。と、昨日と打って変わって抜けるように青い空!相変わらずキーンと冷たく澄んだ空気の中、駅へ歩く♪

 メトロは今日が初乗。プラハ市内ではメトロ・バス・トラムが共通のチケットで乗れるんだけど、駅や入り口によってはチケット売り場がなかったり、お釣りが出なかったり、色々面倒だと聞いていたので空港で「3日間乗り放題券」を買っていた私。まずは改札で日付と時刻を刻印して使用開始だ!と思いきや、着いた駅の入り口には黒い棒のようなものが所々に立っているだけで改札機は見当たらない。しかしみんなどんどん棒の間を通ってエスカレーターで降りていくので、おおそうか、改札は降りた先にあるのだな、日本でもそうだもんな、とそのままエスカレータで地下へ。

 すると降りた地点で制服を着たおじさん達がタムロしており、中の一人がつかつかと私に近づいてきて不躾に「チケットを見せろ」と。見せると「改札してないから無効!」!!??慌てて周りを見回し、そこがもうホームだということに気づき「あれ?上に改札あった?OKじゃあ刻印して来る」と普通に言って切符返してと手を出すと、敵はニヤニヤしながら「ダメ。もう無効。罰金。」!!は?!いやいやいやいや改札機見つけられなかっただけだし!すぐそこじゃん!ちょっと上がって探して押してくるからいいでしょ!と抵抗するも「ダメ。罰金800コルナ(約5000円)。」!!ええええええー!!800?!はっぴゃくって言った今?は?昨日二駅分の切符が8コルナだったのに罰金800コルナ?いや意味わかんない何言ってんの?!と内心驚きと怒りが渦巻くが、払いたくないので急に低姿勢にpleaseを連発し、ごめんね改札分かんなかったのあたし。それ返してくれたらリコ上がってすぐ押してきちゃう♪と猫なで声で言ってもダメ。ひたすらニヤニヤ+invalid + pay moneyの一点張り。あったま来て思わず「お・も・て・な・し♪」とか言って説教してやろうかと思うも、もめているうちらを見てもう一人おじさんが加勢に来ちゃって二人がかりでpay money押しがスゴイのでもう嫌になって仏頂面で払う。

 すると急に向こうが猫なで声になり、改札教えてあげるね!とかいってエスカレータで一緒にあがる。どうやら私が入ってきたところは「出口」だったようで、その裏側に入り口があり、確かに改札機があった。(でも超分かりにくい!)で、刻印した切符を私に返しながら笑顔で「これで三日間使えるよ!」だって。当たり前じゃボケ!仏頂面で棒読みのOKしか言わなくなっちゃった私に急に「これも仕事だからさ、分かっておくれ」とか言われてももう棒読みOKの一点張り返しだっ!そそくさとエスカレーターを降りていくヤツの背中を見ながら、そんなにこれが重罪なら、日本のように改札必須な入り口にするか、おっさん達エスカレータの下でタムロってないで上で「改札ここですよ」って案内すればいいじゃん!スイスイ入れるようにしておいて、降りた先ですぐ捕まえる(しかも「観光客風」にのみ声をかけて検札)という、明らかに「観光客からの罰金狙い」のシステムほんと性格悪い!と憤慨。日本でもしこのシチュエーションがあったとして、いきなり外国人に高額の罰金を科すというのはどう考えてもありえないので、やはり日本にはおもてなしの精神が自然に根付いているのだなぁと思いました。ともあれ、ホームに降りると新たに観光客達が捕まってもめていましたので、みなさんチェコに行かれる際はほんとこのゲスいルールに引っかからないようにご注意くださいませ。

 ということで、先ほどまでの爽やかな気分はどこへやら、プリプリしながらメトロを乗り継ぎ、トラムにも乗り換え(こうなったら乗りまくらないと損だッ!)お城到着!チケットは城内にある施設をいくつ観るかで値段が変わります(セコイ!)。私は真中のコースにして250コルナ(約1500円)。歴史的に重要な事件や背景があるだろうし、オーディオガイドも借りようかな…って350コルナ?!(約2100円) 高っ!入場料より高い!ガイドがついて回るわけじゃなし、たかが再生機材の貸出で?!と驚愕し退散。さらに、入場チケットは2日間有効と聞いていたのでコース内の施設は2日間観放題なのかと思ってたら、各施設一回しか入れないと判明しお口あんぐり。朝から立て続けの「観光客金払え攻撃」に満身創痍でヨロヨロしながら城内へ。

聖ヴィート大聖堂
10世紀着工から数世紀かけて完成したチェコを代表するゴシック建築の大聖堂。地下には歴代の王の墓、堂内に2トンの銀を使って造られたというチェコで大人気の聖人ヤン・ネポムツキーの墓がある。チェコ出身のデザイナー&画家のムハが手掛けたというステンドグラスが特に有名。
<旧王宮>
16世紀まで歴代の王宮として使用されていた建物。当時としてはヨーロッパ随一の広さだったという美しいヴラディスラフホールが有名。当時はここで戴冠式や馬上競技なども行われていたとか。現在では大統領選挙などに使用されている。
<聖イジ―教会>
10世紀に建てられたというプラハ最古の教会。小さいけど作りが緻密で凝っていて、素朴な雰囲気が何とも言えず、今回のプラハで一番好きな教会でした。
<黄金の小道>
立ち並ぶ小さな家々は、そもそもはお城に勤める番兵とその家族が住み→王様お抱えの錬金術師たちが住み(それで黄金の小道)→一般の人たちが住み→現在はお土産屋さん。カフカの妹がここのNo22の部屋を借り、カフカは毎晩ここに通って小説を執筆したと言われている。
*それぞれ写真はアルバムにアップしてますのでどうぞ*

 お城と言うとドイツやイギリスのお城みたいな分かりやすい「宮殿」を想像するけど、プラハ城はそうではなく、一見地味な建物たちがギュッと狭い敷地に集まっている複合施設という感じでした。しかしそれぞれ中に入るとアッと驚く豪華な内装や凝った建築様式などが素晴らしく、いくつもの施設を出たり入ったりしているうちに、いつの間にかその時代にタイムスリップしたような気分になりました。ただオーディオガイドは高いし、チケットのルールはセコイと思います(まだ言うw)

 予約したランチの時間までまだ余裕があったのでそのままカフカ博物館へ。大きな看板もなく、道の途中に突然現れるカフカ博物館。カフカ直筆の原稿や恋人たちへの手紙、「父への手紙」の実物もありました。体格がよく豪快な性格、やり手の商人だった父と、神経質で華奢な身体、商売に興味なくお金にならない小説に心血を注いだカフカは終生折り合いが悪く、カフカ36歳の時に100枚もの便せんを費やして自分の思いのたけを書くも、お母さんに握りつぶされてしまった手紙。細かい字でぎっしり書いてある実物を見て、彼の必死の想いがひしひしと伝わって来ました。筆まめで一日に何通も書いたと言われる恋人への手紙にすら、自己批判や将来への不安など後ろ向きな内容ばかり書き、自分の容姿・才能・境遇・将来全てに絶望していた彼にとって、かけがえのない一筋の光芒が、物を書くということだったのだろうなぁとしみじみ思いました。

 しかしこの博物館、壁にかかった受話器を取ると説明が聞けるとか、一つだけ飛び出している引き出しを覗くと展示物があるとか、彼の歴代の恋人の顔が空間にゆらゆら見えるとか、無駄にスペースを使った謎の演出が多い。一方でカフカ直筆手紙に英語訳が無いのとか、オーディオガイドも無いし、説明が手薄な展示物がたくさんあって不満。彼の一風変わった作品世界を展示方法で表現しているつもりなのかもしれないけど、それは読者が彼の作品から直に感じればいいことであって、博物館はここでしか触れられない情報をできるだけ多く展示し、内容を余すところなく来館者に伝える、という部分に力を入れて欲しいなぁ…と思いました。先述の色々な手紙の実物や、晩年カフカが海外へ出る時の今でいう「パスポート」、病気にかかってからの医者の診断書などは非常に貴重な資料で、カフカは本当にこの国で生きていたんだなあと実感できて、感慨深かったです。

 まだ予約した時間には早いけど、もう歩きすぎて疲れちゃったのでレストランへ行ってみることに。路地を入った静かな一画にある小さなお店「ウ・モドレ―・カフニチュキ」は鴨料理で有名な名店(小泉首相も来たとか)。扉を開け、重く垂れさがるカーテンをを掻き分けて恐る恐る店内を覗くと、なんともクラシカルでゴージャスな内装!幸い一組しかお客さんが居なかったので「あの私14時半に予約したんですけどあのあのもし今でも可能ならあの…」と緊張してフガフガしている私を、カウンターでグラスを磨いていた渋いおじ様がニッコリ笑って案内してくれました♪

 上品なブルーを基調とした古いお屋敷のような内装にうっとりしながら一番奥の席へ。
チェコ定番スープ「ポテトとマッシュルームの香草スープ」と、事前に調べていた「鴨のロースト アップルブランデー&ハニーのソース」的なやつを注文。ウェイターのお兄さんが、鴨には赤!と力説するので苦手だけど頑張って赤ワイン。スープはドロリと濃厚なポタージュで、なんだか食べたことのない不思議な香草の香りがして美味しい。そして鴨!これがものすごく美味しかった!身が柔らかく、臭みも無く、甘くて濃厚なソースと絶妙のコンビネーション。付け合せのほんのり甘い焼きリンゴとマッシュポテトの組み合わせも最高で、いやもうほんと美味い!チェコで一番おいしい食事でした♪

 帰り際におじさまに写真をお願いすると、優雅に微笑んでOKと言ってくれたんだけど、「ウェイターのお兄さんも一緒に」というと「え?あいつと一緒に?」と驚いた様子w さてはダンディおじ様、写真撮られ慣れているな!しかもいつもは一人で!w カメラを構える私の前で、どういうポーズにするか二人の真剣な相談が始まり、そこはどうでもいいんすけど、と思いながら待つことしばし、二人の自慢のポーズを撮らせてもらったところで大満足のランチは終了~♪

 街歩きを楽しみながらホテルへ戻り、しばし休憩した後、19時からの教会コンサートへ。ボヘミアガラスのシャンデリアが有名な聖ミクラ―シュ教会で、トランペット2台、ホルン、トロンボーンとあと何だっけ、とにかく管楽器5人で約70分、音楽に疎い私でも分かる有名な曲をたくさん演奏してくれました。なにしろ始まった瞬間に「なにこれ!」と驚くほどの素晴らしい音響で、四方八方から降り注ぐ贅沢な音楽のシャワーにうっとり♪なんだけどでも……寒いッ!教会は暖房が無いので1時間もじっと座ってるとしんしんと身体が冷えていくのが分かる。終盤、周囲に合わせてアンコールの拍手をしながらも内心「いいから!もういいから!」と思っていたことをここに告白しますw で、凍えながら外に出るといつのまに降り出したのか一面の雪!そりゃ寒いわけだ!震えながら小走りでホテルへ戻り湯船で温まりました。明日はプラハ市内ショッピング~♪